夫婦でスッキリ!家計の支出を「固定費」「変動費」で話し合う具体的方法
家計の漠然とした不安を夫婦で解消する第一歩
将来のお金について、漠然とした不安を感じることは少なくありません。特に、日々の家計の支出が把握しきれていない場合、何から手をつければ良いのか分からず、不安が募ることもあるでしょう。この漠然とした不安を具体的な安心に変えるためには、夫婦でお金の現状、特に支出について向き合い、話し合うことが重要です。
お金の話は、夫婦間でも切り出しにくかったり、感情的になってしまったりすることもあり、つい後回しにしてしまいがちです。しかし、お互いの状況を共有し、協力して家計を管理することは、夫婦の信頼関係を深め、将来への準備を共に進めるための大切なステップとなります。この記事では、家計の支出を「固定費」と「変動費」に分けて見直す具体的な方法と、そのための夫婦での話し合いの進め方について解説します。
なぜ「固定費」と「変動費」に分けて考えるのか
家計の支出を見直す際に、「固定費」と「変動費」という区分けが非常に有効です。この二つに分けることで、支出の性質を理解しやすくなり、どこから手をつければ効率的に削減できるのかが明確になります。
- 固定費: 住居費(家賃や住宅ローン)、光熱費(基本料金部分)、通信費(スマホ代、ネット代)、保険料、車の維持費(ローン、税金、保険)、サブスクリプションサービス(定額制サービス)など、毎月(あるいは毎年)ほぼ一定額かかる支出です。
- 変動費: 食費、水道光熱費(使用量による変動部分)、交通費、交際費、娯楽費、被服費、日用品費など、月によって支出額が変動するものです。
固定費は一度見直して削減できると、その効果が継続しやすいという特徴があります。一方、変動費は日々の意識や工夫で調整しやすい支出です。この違いを理解することで、見直しの優先順位をつけやすくなります。
夫婦で支出について話し合うための準備
話し合いをスムーズに進めるためには、事前の準備が大切です。
- 話し合う日時と場所を決める: お互いが落ち着いて話せる時間帯を選びましょう。自宅のリビングなど、リラックスできる場所が適しています。短時間でも構いませんので、定期的に話す時間を持つことが理想です。
- 必要な情報を集める: 過去数ヶ月分の家計簿(つけている場合)、通帳、クレジットカードの明細、各種サービスの契約書(保険、通信、サブスクなど)を用意しましょう。これらの情報があると、具体的な数字に基づいた話し合いができます。
- 話し合いの目的を共有する: 「家計を改善して将来の資金を貯めたい」「無駄な支出を減らしたい」など、なぜ話し合うのか、その目的を事前に共有しておくと、建設的な話し合いにつながります。
具体的な話し合いのステップと見直し方
準備ができたら、いよいよ具体的な話し合いに入ります。以下のステップで進めてみましょう。
ステップ1: 現状の支出を「見える化」し、固定費と変動費に分類する
集めた情報をもとに、直近数ヶ月の支出を項目ごとに書き出してみましょう。手書きのリストでも、スプレッドシートなどのツールを使っても構いません。次に、それぞれの支出項目が固定費なのか変動費なのかを分類します。
ステップ2: 分類した項目ごとに、それぞれの支出額を確認し、共有する
夫婦で一緒に、またはそれぞれが分類した内容を持ち寄って、支出額を確認します。お互いが何にどれくらいお金を使っているのかを知る第一歩です。ここで、どちらかの支出を責めるような言い方にならないよう注意しましょう。「お互いに知る」「共有する」という姿勢が大切です。
ステップ3: 削減できる項目を探す(固定費は効果大、変動費は意識改善)
分類した支出を見ながら、削減できそうな項目について話し合います。
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固定費の見直し:
- 保険料: 内容が合っているか、無駄がないか。
- 通信費: 契約プランが現在の利用状況に合っているか、格安SIMなども検討できるか。
- サブスクリプションサービス: 利用していないもの、不要なものはないか。
- 住居費: 可能であれば、より条件の良い物件への引っ越しなども長期的に検討。
- 車の維持費: 利用頻度に対して維持費が高くないか。 固定費は金額が大きいものが多く、一度見直せると大きな削減効果が期待できます。
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変動費の見直し:
- 食費: 外食を減らす、まとめ買いをするなどの工夫。
- 水道光熱費: 節水を意識する、省エネ家電への切り替えなど。
- 交際費・娯楽費: 上限を決める、頻度を見直すなど。 変動費は日々の意識や工夫が重要です。すぐに大きな削減は難しくても、積み重ねることで効果が出てきます。
ステップ4: 夫婦で合意形成を図る
見直し案が出たら、それについて夫婦で話し合い、実行する内容について合意します。一方が「こうするべきだ」と押し付けるのではなく、お互いの意見や懸念を聞きながら、現実的に実行可能で、かつ二人が納得できる落としどころを見つけます。例えば、「今すぐ全てを変えるのは難しいから、まずは通信費とサブスクの見直しから始めてみようか」「食費は〇円以内を目標にしてみよう」のように、具体的な目標や行動を決めていきます。
ステップ5: 合意した内容を実行に移す計画を立てる
何を、いつまでに、どのように実行するのか、具体的な計画を立てます。誰が何を担当するのか(例:夫が通信プランの見直しを調べる、妻が不要なサブスクを解約する、食費の予算管理は二人で意識するなど)を決めておくと、実行しやすくなります。
話し合いを円滑に進めるためのコツ
- お互いの意見を尊重する: 相手の意見に耳を傾け、頭ごなしに否定しない姿勢が大切です。
- 「私は〜と思う」と伝える: 「あなたは〜しすぎだ」といった責めるような言い方ではなく、「私は〇〇について少し心配しています」「〜してみるのはどうかな、と思っています」のように、「私は(Iメッセージ)」で伝えることで、相手も受け入れやすくなります。
- 感情的になりそうになったら休憩をとる: 話し合いが白熱し、感情的になりそうだと感じたら、「少し休憩しよう」「また〇〇に話そう」と提案して、一時的に中断することも有効です。
- 感謝の気持ちを伝える: 話し合いに協力してくれたこと、意見を伝えてくれたことに対して、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えることで、お互いの気持ちが和らぎます。
具体的な会話例
夫:「今月の支出リストを見てみたんだけど、改めて見ると結構使っている項目があるね。」 妻:「そうだね。何から見直せばいいかなと思ってて。」 夫:「まずは毎月かかっている固定費から見てみるのがいいらしいよ。例えば、スマホ代とか、保険とか。最近新しいプランが出てるみたいだし、調べてみない?」 妻:「いい考えね!私のスマホも結構高い気がするから、一緒に見てみようか。あと、使ってないサブスクもあるかもしれないから、それも確認してみるね。」 夫:「ありがとう。変動費の食費とか交際費は、すぐには難しいかもしれないけど、まずはどれくらい使っているのかを正確に把握することから始めようか。」 妻:「うん、そうね。まずは現状を知ることからね。一緒に確認していこう。」
まとめ
家計の支出を夫婦で話し合うことは、将来の漠然とした不安を具体的な行動に変えるための大切なステップです。「固定費」と「変動費」に分けて考えることで、効率的に見直しのポイントを見つけることができます。話し合いの準備をしっかり行い、お互いの意見を尊重しながら進めることが、成功の鍵となります。
一度話して終わりではなく、定期的に家計の状況を共有し、見直しを続けることも重要です。夫婦で力を合わせ、お金についてオープンに話し合う習慣を築くことで、将来への安心感が増し、夫婦関係もより一層深まることでしょう。まずは、今日から、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。